商売と人間
顧客はそのうち離反する
- ・顧客の離反についてご説明します。
- ・一定の期間に一定の割合で顧客は離反していくものです。
- ・このため、売上を保つためには、常に一定の新規顧客を獲得し続ける必要があります。
- ・ここでは顧客をRFM分析することで、新規顧客や離反顧客の傾向を分析します。
- ・不明点あれば問い合わせください。
- ※当サイトで掲載しているデータは適当に作成したものであり、実際のものではありません。
顧客をRFM分析する
新規顧客が大半を占めるBtoCの事業とは異なり、BtoBの事業では既存顧客が大半を占めます。
どちらにせよ、一定の期間に一定の割合で顧客は低減しており、事業継続のためには、常に一定の新規顧客を獲得し続けなければなりません。
そこで、顧客をRFM分析し、新規顧客と離反顧客、優良顧客と非優良顧客を調査します。
RFM分析の結果を踏まえ、新規顧客を獲得する努力と、既存顧客を離反させない努力のそれぞれを検討します。
RFM分析とは、
R:直近の取引の日付、経過時間
F:取引の頻度、一定の期間内における取引数
M:取引の金額、一定の期間内における取引額
で顧客を分析する手法です。
※RFMは分析の手法ではなく、着眼点です。
RFM分析にはRFMの3つの軸があり、分析結果は3次元となります。
しかし3次元は人間には扱いにくいものとなっています。
よって一般的には、2次元に分割しそれぞれで考察する手法が採られます。
例えば、以下のようなことが分かります。
R-F:新規顧客か離反顧客かを調査できる
R-M:新規か離反かに加え、優良顧客か非優良顧客かを調査できる
F-M:顧客の効率を調査できる
※ここではF-Mの調査は行いません。
また、RFM分析では、軸ごとにクラス分けして、対応を検討することが多々あります。
もし3種類のクラスに分けるとなると、3軸のため27クラスが生成されます。
このように数が多い場合は、特定のクラスに対してのみ対応を検討します。
まとめると以下の手順のようになります。
【手順1】顧客のR-F-Mの3軸を集計する。
【手順2】R-Fから、新規顧客と離反顧客を調査する。
【手順3】R-Mから、新規顧客と離反顧客における金額の違いを調査する。
【手順4】R-Fから、新規顧客と離反顧客における頻度の違いを調査する。
【手順5】R-F-Mから、優良顧客と非優良顧客を調査する。
新規顧客や離反顧客の傾向を分析する
以下の表とグラフは、R-Fの観点から顧客を分析した結果です。
一定の期間以内の直近でしか取引していない顧客を新規顧客、一定の期間以上取引していない顧客を離反顧客として分類し、その推移をカウントしたものです。
表より、増減はあるものの、新規顧客数と離反顧客数が釣り合っており、顧客数は一定に保たれていることが分かります。
平均して1ヵ月で4社が離反しているということは、1年で顧客全体の5%が離反していることになります。
以下の表は、R-Mの観点から顧客を分析した結果です。
新規顧客で取引額が高いということは、ニーズが一致したということです。
集客する際は、そのような顧客に絞って集客すると効率的です。
逆に、離反顧客で取引額が高いということは、競合他社に奪われた可能性があります。
以下のグラフは、R-Fの観点から顧客を分析した結果です。
新規顧客・通常顧客・離反顧客のそれぞれで、最後に取引した時点から遡って3ヵ月以内の取引の頻度をカウントしたものです。
頻度の期待値は、通常顧客>離反顧客>新規顧客の順で高くなっています。
つまり、取引の頻度が3ヵ月で3回に満たない顧客は離反する可能性が高い、ということです。
以下の表は、R-F-Mが総じて高い優良顧客と、R-F-Mが総じて低い非優良顧客です。
R-F-Mのそれぞれの順位より計算した相乗平均で整列しています。
優良顧客に対しては、待遇面で配慮するなど、取引を促進する工夫が求められます。
逆に、非優良顧客に対しては、定期的に訪問する対象から外すなど、アプローチを控える対応を検討しなければなりません。
ここまで、顧客をRFM分析し、新規顧客や離反顧客の特徴を分析してきました。
事業継続のためにも、既存顧客を離反させない努力と、新規顧客を獲得する努力が求められています。
しかし、やみくもに顧客を増やせばいいというわけではなく、事業所の規模に応じた適切な顧客数を維持することが大切です。
RFM分析の結果を踏まえることで、事業継続のために必要な新規顧客数を算出することができます。
加えて、適切なタイミングと頻度で既存顧客にアプローチする営業計画を立案できるようになります。