データ分析(帳票)
一般的な帳票①
- ・一般的な帳票をいくつか取り上げてご説明します。
- ・スプレッドシート(Excelなど)に対してコーディング(VBAなど)すれば安価にオリジナルな帳票を作成できます。
- ・もしくは帳票ツールを利用すれば、ノンコーディングでオリジナルな帳票を作成することもできます。
- ・不明点あれば問い合わせください。
- ※当サイトで掲載しているデータは適当に作成したものであり、実際のものではありません。
店舗日報
店舗日報とは、指定された「店舗」の指定された「日付」において、所定の項目を集計した報告書のことです。
所定の項目は事業者により様々ですが、概ね売上と経費に関する項目が出力されます。
つまり、店舗日報を確認することで、その日の現場におけるお金のやり取りを概観することができます。
店舗日報は日々の報告のために発行される報告書で、基本的には1日1回、業務終了時に出力されます。
そして現場の担当者の所感や反省が入力もしくは書き込まれ、後日、報告書として例えば店舗から本部へ提出されます。
以下、店舗日報のデータの例です。
複数の店舗を展開している事業者においては、店舗から本部への報告手段として店舗日報を利用します。
ゆえに事業者によっては、報告する側・される側の双方の作業をスムーズにするために、記入欄の形式を細かく指定している場合があります。
はたまた、予算達成率が指定の基準を下回った際にはその原因を考察して記述しなければならないなど、記述すべき内容に関してルール付けしている場合もあります。
このように、日々日頃の分析と、店舗と本部のコミュニケーションのため、店舗日報は利用されます。
もし店舗日報をシステム化していれば、店舗と日付を指定するだけで、所定の項目を集計し結果をグラフ化するまでをボタン一つで行えるようになります。
逆にシステムを導入していなければ、集計できない項目については、手動で埋めていかなければなりません。
しかし、飲食業にしろアパレル業にしろ、集計や分析は本来の業務とは関係ない作業です。
そのため、不慣れな作業でストレスが溜まり、「こんなことをするためにこの会社に入ったのではない…」と不満を募らす担当者もいます。
業務終了後に作業する担当者の負担も考慮すると、できる限りプログラムに自動集計させた方がいいでしょう。
店舗別売上実績表
店舗別売上実績表とは、店舗別に指定の期間内における売上を集計した帳票です。
日々の状況把握を目的とする店舗日報とは異なり、定期的に店舗同士を比較することが目的です。
ゆえに細かな項目までは出力せず、重要な指標だけで大雑把に比較します。
細かな点を調査・反省したい際は、店舗日報のような別の帳票を参照します。
もし、店舗が全国に幅広く展開されているのであれば、店舗ごとで地域が大きく異なるということになります。
そのような場合は店舗の地域特性も考慮しなければならず、そういった分析で役に立ちます。
以下、店舗別売上実績表のデータの例です。
一般的に店舗別売上実績表は、店舗ごとの売上と経費を把握する目的で利用されます。
売上が低いまたは経費が高い店舗は改善が必要です。
どのように改善するかですが、「業績が良い店舗のやり方を成功事例として真似させる」という意見が多いように思います。
しかしそんな単純な話でしょうか。
店舗には店舗だけが知っている「実は売れない理由」というものがあるかもしれません。
叱りつけることはデータを見れば簡単にできることですが、業績を改善するとなるとそう簡単にはいきません。
そもそも商品・サービスは売れないときは売れません。
努力だけではどうにもならないこともあるので、努力のしようがない場合に対して、なぜそうなったのかを求めすぎてはいけません。
あまり追求しすぎると、現場のスタッフのモチベーションが下がります。
そして一度でも関係が破綻すると元に戻すことは容易ではありません。
そうなれば、店舗のお客様への商品・サービスの質も低下します。
本部と店舗が争うということはよくある話で、たまにニュースにもなるくらいですから、ありふれた問題の一つと言えそうです。
そうならないようにするためにも、日頃のコミュニケーションを重視しつつ、店舗と協力する姿勢で改善を試みていくことが大切です。
従業員別売上実績表
従業員別売上実績表とは、従業員別に指定の期間内における売上を集計した帳票です。
店舗別売上実績表の従業員版です。
店舗別売上実績表では店舗の比較を目的としていましたが、従業員別売上実績表では従業員の比較が目的となります。
ゆえに店舗別売上実績表と同様に、細かな項目までは出力せず、重要な指標だけで大雑把に比較します。
以下、従業員別売上実績表のデータの例です。
従業員別売上実績表を調査することによって、誰がどれだけ成果を上げているかを把握することができます。
その中で、いまいち成果を上げられずにいる従業員とは、どう接していくべきでしょうか。
優しく励ますべきでしょうか、強く指導するべきでしょうか。
一般的には、成果を上げていない人を重点的に指導する方針で考えられがちです。
ただ、どのようなやり方を採ったとしても、人が絡む問題は簡単には解決できないため、深く分析し、長い時間をかけて対応していかなければならないことを覚悟しなければなりません。
とは言っても、ビジネスである以上、重視すべきは利益です。
売上と経費のバランスが崩れると会社は倒産します。
会社が事業を継続していくためにも、従業員一人一人の働きは重要です。
もし、成果を上げていない従業員がいて、その従業員を甘やかすようなことをしていては、その職場では誰も努力しなくなってしまいます。
努力してもしなくても、給与や待遇に差がないのであれば、努力すること自体が馬鹿馬鹿しくなるためです。
厳しくしてはいけないわけではなく、優しくしてはいけないわけでもありません。
そもそも人には個体差があり、無理なことは無理と諦めて、できることで人を活かすよう考えていくべきです。
そこで従業員別売上実績表をヒントに、従業員が成果を上げられそうなフィールドを探っていくのです。