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データ分析(帳票)

一般的な帳票②

  • ・一般的な帳票をいくつか取り上げてご説明します。
  • ・スプレッドシート(Excelなど)に対してコーディング(VBAなど)すれば安価にオリジナルな帳票を作成できます。
  • ・もしくは帳票ツールを利用すれば、ノンコーディングでオリジナルな帳票を作成することもできます。
  • ・不明点あれば問い合わせください。
  • ※当サイトで掲載しているデータは適当に作成したものであり、実際のものではありません。

時間帯別売上実績表


 時間帯別売上実績表とは、時間帯別に売上を集計した帳票です。 時間帯という細かい単位で売上を集計することで、1日における売上のサイクルを調査することができます。 売上が高くなるということは忙しくなるということであり、そのピークを把握することで、作業の段取りを行い仕事の負荷を分散させられるようになります。 この時間帯の間隔は概ね1時間単位ですが、事業者によっては半日単位、もしくは30分単位とする場合もあります。 以下、時間帯別売上実績表のデータの例です。

   

 売上のピークは曜日によって異なります。 例えば飲食店の場合、金曜日の夜と日曜日の夜では、忙しくなる時間帯が微妙に違います。 金曜日の夜は仕事終わりのビジネスパーソンが多く、日曜日の夜は家族連れの来店者が多い傾向にあります。 仕事終わりで、かつ、次の日が休日となれば、遅めに入り遅めに出ます。 対して日曜日は次の日が平日なため、早めに入って早めに出ます。 このように曜日によってピークのタイミングは若干異なっており、その違いを把握しておくことで、準備と後片付けをスムーズに行えるようになります。

 同様に、客層も時間帯や曜日によって大きく異なります。 同じく飲食店の場合、昼と夜とでは客層が異なっています。 昼は個人の常連客が多く、夜は仕事終わりのビジネスパーソンが多い傾向にあります。 つまり、昼の来店者は昼食をとることが目的であり、対して夜の来店者は、夕食のみならずコミュニケーションをとることも目的として来店しています。 こうした違いにより、提供すべき商品や提供の仕方が変わります。 このため、時間帯別の売上傾向を把握しておくことで、どのタイミングで何の商品を準備すればいいか、段取りできるようになります。



日別損益推移表


 日別損益推移表とは、日別に売上と経費を集計した帳票です。 よって日別損益推移表があれば、日々の損益の推移を月単位で概観し、売上または経費が極端(高すぎるまたは低すぎる)になっている日がないかを確認することができます。 もし、極端に振れている日に対して何らかの規則性を発見できれば、それを足掛かりとしてより詳しく分析を進めることもできます。 その規則性とは、曜日かもしれませんし天気かもしれません。 以下、日別損益推移表のデータの例です。 日別損益推移表は月単位のため、システムによってはカレンダの形式で表現されます。

   

 もし利益が著しく低い日があれば、なぜそうなったのか原因を調査し、対応を反省しなければなりません。 ただし、あまり深く分析しすぎても意味はありません。 なぜなら、詳しく調査すればするほど手間がかかる上、仮にその原因を突き止めたとしても、それに対して対策できるとは限らないためです。 原因が分かったとしてもどうすることもできず、それに対して何も対策ができない、ということは意外と多いのです。 ただ、分析を疎かにしているとそれが習慣化してしまいかねないため、日々日頃の調査と反省は継続していかなければなりません。

 ここで、一般的に店舗の損益は月単位で管理されています。 日別損益推移表には月単位における売上と経費に関するデータが揃っています。 ゆえに、日別損益推移表のデータを回帰分析することで、店舗の月単位の損益分岐点を算出することができます。 損益分岐点を考慮することで、店舗の予算や従業員の努力目標(KPI)を適切に設定できるようになります。 および、どれだけ目標を達成したかを評価・反省する際も日別損益推移表が役立ちます。



月別損益推移表


 月別損益推移表とは、月別に売上と経費を集計した帳票です。 よって月別損益推移表があれば、月々の損益の推移を年単位で概観し、売上と経費における長期的な変化を把握することができます。 日々の損益を追っただけでは、全体として上がり傾向なのか下がり傾向なのかまでは分かりません。 特に季節によって売れる売れないが激しい業界の場合は、年単位における傾向を把握しておく必要があります。 以下、月別損益推移表のデータの例です。

   

 特に、大きな買い物をする際は月別損益推移表を参照します。 例えば、大型の設備投資や、人の採用などです。 人件費は最も高い固定費であり、人を雇うとなるとそれこそ、長期的な仕事の目途が立っていなければなりません。 一時的に忙しいからという理由でとりあえず人を雇ってしまうと、年間を通して見たときにそれほど仕事がなく、人件費が売上を上回ってしまう可能性があります。 大きな買い物をする際は、売上と経費の長期的な傾向を踏まえ、どれだけの仕事と余力があるかを把握した上で判断しなければなりません。

 また、店舗よりも詳細な部署で絞り込むことで、部署ごとの月々の損益の推移を集計して出力することもできます。 それにより、年間を通して安定している部署か、特定の時期に負荷が集中している部署か、部署ごとの売上傾向を把握することができるようになります。 もし後者の場合は、必要に応じて人員を手配しなければなりません。 そのためにも、売れ始めのタイミングとピークの時期を把握しておく必要があります。 ただし、あくまで前年(過去)のデータを元にして判断しており、この点は注意を要します。