データ分析(帳票)
一般的な帳票③
- ・一般的な帳票をいくつか取り上げてご説明します。
- ・スプレッドシート(Excelなど)に対してコーディング(VBAなど)すれば安価にオリジナルな帳票を作成できます。
- ・もしくは帳票ツールを利用すれば、ノンコーディングでオリジナルな帳票を作成することもできます。
- ・不明点あれば問い合わせください。
- ※当サイトで掲載しているデータは適当に作成したものであり、実際のものではありません。
商品在庫リスト
商品在庫リストとは、現時点における商品の在庫を集計した帳票です。
商品の在庫は、仕入と売上によって変化します。
これら仕入と売上のトランザクションデータより、直近の実棚数を基準に仕入数と売上数を足し引きし、現時点における在庫数を計算によって導きます。
もし、商品ではなく材料で仕入れて、それらを加工し商品として販売している場合は、材料に換算して計算します。
その場合は商品と材料の関連付けを行うマスタデータが必要です。
以下、商品在庫リストのデータの例です。
最終的には、棚卸することで正確な在庫数を把握します。
計算による在庫数はあくまで理論上の在庫数です。
もし、棚卸による在庫数(実棚数のこと)と計算による在庫数(在庫数のこと)で差が多いようであれば、その差が発生している原因を調査しなければなりません。
カウントミスなのか、記録されていない廃棄なのか、はたまた盗難か、原因は様々です。
どうしても差が解消しない場合は、IoTによる自動的な在庫管理の仕組みを導入するという手段もあります。
回転率の高い商品や材料の在庫管理では特に重宝します。
在庫管理において意識すべきは、在庫切れを避けることと不良在庫を減らすことです。
回転率の高い商品ほど在庫切れに注意し、変動率の高い商品ほど不良在庫に注意しなければなりません。
そして、商品または材料を発注するにあたっては、商品・サービスの需要、リードタイム、保管期限、倉庫の容積、棚卸の労力を考慮しなければなりません。
ただし、発注の度に考慮していては非効率なため、発注のタイミングや発注数はあらかじめ定めておきます。
例えば、最低在庫数を下回った場合に適正在庫数となるように発注するようにします。
従業員勤怠リスト
従業員勤怠リストとは、従業員の勤怠を集計した帳票です。
従業員勤怠リストを参照することで、従業員別の労働時間を把握することができます。
誰がどれだけ労働しているかを把握できれば、特定の人に業務が集中していないかをチェックできるようになります。
職務割当の観点からも労働の負荷分散は必要であり、振れるものは振っていかなければなりません。
もし特定の人に集中しているのであれば課として対応し、もし特定の課に集中しているのであれば部として対応する必要があります。
以下、従業員勤怠リストのデータの例です。
この従業員勤怠リストを元に、従業員の給与が計算されます。
人によって労働単価が異なることは当然として、時間帯によっても労働単価は異なります。
また業界によっては、出退勤の時間も変則的です。
そのような場合でも、給与計算ソフトにあらかじめ設定しておくことで、それらの条件を考慮して給与を計算することができます。
従業員勤怠リストにおいては、給与を計算するために必要な、誰がどれだけ労働したかのみを集計します。
ここで、従業員勤怠リストにおける労働時間や残業時間のカウントの仕方についてですが、出退勤管理システムからデータを連携させる仕組みが方針として考えられます。
その場合は、従業員勤怠リストに出勤時刻と退勤時刻を載せることができ、従業員の出退勤も併せて管理できるようになります。
このようにシステムを統合していくことで、出退勤記録・労務管理・給与計算までを一括して行えるようになります。
顧客取引リスト
顧客取引リストとは、顧客別に取引の状況を集計した帳票です。
BtoBの事業者では、基本的に顧客のマスタデータを保持しており、顧客の分析が容易です。
BtoCの事業者でも、何度かやり取りすることが前提の場合は、来店者に情報提供を呼びかけます。
そうして顧客取引リストを通して、顧客にはどういった特徴があり、何が望まれているかを判断します。
以下、BtoBの事業者における顧客取引リストのデータの例です。
BtoBの事業者の場合、顧客取引リストから顧客をRFM分析することがあります。
BtoBはBtoCと異なり、1回の取引が重くなる傾向にあります。
小さく勝ち続けるのではなく、定期的に大きく勝つことが特徴です。
ゆえに、定期的に既存顧客にアプローチすることが求められます。
となると、最後にいつアプローチしどのような内容で提案したかということについて、顧客別に把握しておかなければなりません。
もしある時点を境に取引の頻度が激減しているのであれば、それは失客を意味しており、調査や反省が必要です。
その際、顧客取引リストが役に立ちます。
また、お客様にも性格があり、事前にお客様のそういった情報を担当者に共有しておくと、お客様対応がスムーズになります。
あまり喋りかけてほしくない人か、細かな提案を望む人か、それにより誰を担当とするかも判断できます。
特に美容院や歯科院のような、スタッフがお客様(患者)と距離を縮めなければならない場合は、お客様とどういった会話をしたかまで記録します。
美容院や歯科院において失客する理由の一つはスタッフとの会話であり、その点も気を配らなければなりません。