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戦略策定へ応用

戦略の立案と反省

  • ・戦略の立案と反省についてご説明します。
  • ・戦略の立案とは一言で言うと「誰に何をするのか」を決めることです。
  • ・対して戦略の反省とは「何をした結果、誰がどうなったのか」を明らかにすることです。
  • ・不明点あれば問い合わせください。
  • ※当サイトで掲載しているデータは適当に作成したものであり、実際のものではありません。

戦略の立案


 戦略の立案とは一言で言うと「誰に何をするのか」を決めることです。 ここでは、R-STP-4Pの要領で「誰に」「何を」「どのように」するかを決定するようにします。 そしてその決定に対して、どれほどの効果があったのかを反省します。 例えば、それぞれ以下のような選択肢が考えられます。

   
   

もし新商品を売りたいということであれば、最も主流な客層を対象として、新商品を告知することが考えられます。 はたまたオンラインサービスを始めたいということであれば、支払い方法や流通のさせ方についても検討しなければなりません。 何をするかによって戦略の立て方が違ってくるのです。 そして実行した結果をデータ分析することで、立案した戦略を反省していきます。



戦略の反省


 ここでは、既存の商品を企画・改良したと想定し、改良による効果を評価・反省します。 まず、改良後の売上分を抽出し改良前と比較する方針で評価・反省していきます。

   

グラフより、企画・改良した場合は、しなかった場合と比較して、売上が明らかに上向きに回復していることが分かります。 ただし、企画・改良後は一時的に売上は上がるものであり、今後の売上にも注目していかなければなりません。 表より、利益の額自体は少額ですが、その比率は売上額の20%程度と高くなっています。 売上への貢献としては少ないものの、商品に対する企画・改良の効果は確実に現れていると言えます。 さらに以下は、より詳細に比較した結果です。

   

表より、確かに企画・改良後は売上額の傾きは正になっています。 しかし、企画・改良後の相関係数の値は大きくありません。 よって、今後サンプル数が増えた際、改めて売上を確認することが必要です。 グラフより、全体的な売上は、1週間前から1週間後にかけて大きく下がっています。 つまり、企画・改良した商品の売上が向上したことは、何か別の因子が関係しているわけではなく、企画・改良の効果によるものだと言えそうです。

 次いで以下は、顧客をクラスタ分析した結果に基づく評価・反省です。 クラスタ分析することで顧客を客層に分類することができ、「何をした結果、誰がどうなったのか」という観点で戦略を評価・反省できるようになります。

   
   
【結果】
・人数が少なく滞在時間が短いクラスが売上額の全体の半分を占めている。
・人数が少ないクラスにおいて、滞在時間が短い方が売上が高いという結果が出てはいるが、滞在時間が長いクラスと比較して、売上額の差はほとんどない。
・人数が多いクラスにおいても、滞在時間の短い方が売上が高いという結果が出ており、全体的に、単価よりは影響が大きいといえる。

全体的に人数の少ないクラスの方が売上額は高い傾向にあり、売上額の75%以上を占めている点は、前回(企画前)と同様です。 それに加えて今回(企画後)は、人数が少なく滞在時間が短いクラスに売上が集中しています。 今回の企画・改良においてターゲットとした客層は、人数が少なく滞在時間が短いクラスです。 したがってこの結果は、企画・改良の効果によるものではないかと予想できます。 ただし、他のクラスの推移も併せて考察することが望ましいと言えます。 そうして以下は、企画の前後におけるクラスごとの推移です。

   
   
【結果】
・全体的に、人数が少なく滞在時間の短いクラスが、売上に大きく貢献している。
・1ヵ月前の売上に限っていえば、人数の少ないクラスは滞在時間に関係なく、どのクラスも似たような売上額となっている。
・人数の少ないクラスも多いクラスも、全体的に売上は下がり傾向である。
・特に人数の少ないクラスは売上が大幅に下がっており、ゆえに全体の売上も下がっている。

1ヵ月前の売上から1ヵ月後の売上にて、売上に最も貢献しているクラスである人数の少ないクラスの売上の下がり傾向が止まり、やや上向きに回復しました。 その後、人数の少ないクラスの売上が大きく低減してしまっていますが、クラスの構成を維持したまま全体的に下がっているところを見ると、これは企画による影響ではなく環境による影響ではないかと考えられます。 この全体的に売上が低減してしまっている原因については、別途、考察する必要があります。